HP店長さんが語るアパート・マンション紹介物語
新潟市にある小さい不動産屋の店長が書く、アパート・マンション等の賃貸物件紹介にまつわる物語。過去の面白物件・裏ネタ・珍事件を個人的意見も交えてお届けいたします。
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安息~東京編#74
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⇒『東京編』は私が不動産の仕事に携わることになった若かりし頃のお話。ほぼ実話(笑)。

  ※     ※     ※     ※     ※     ※     ※

入院生活も一週間が経とうとしている。

毎日飲まされる薬の量(約10種類!)にはうんざりするが、
あれだけ長く続いていた発熱が少しずつ下がってきた。
それもあって体のしんどさも徐々に和らいできたのでした。

しかしながら、体調不良の原因はまだ特定が出来ず、
入院生活はまだまだ続くことになる。

けれど、解熱によって何より良かったと思ったのは、
食事の塩分制限が解除され、ちゃんと味のあるご飯が
食べれるようになったことかな。。。

  ※     ※     ※     ※     ※     ※     ※

色々な検査はまだまだ続いてはいるが、
入院生活は基本的に自由な時間が多い。
自分の場合は病気の原因は分かっていないとはいえ、
体はピンピンしているから余計暇を持て余すことになる。

TVは有料だからダラダラとつけっぱなしに出来ないし、
その時の彼女に好きなバイク雑誌なんか買ってきてもらい、
それはもうページの端から端まで読んでいたな。
だって、することが無いから

たまに同僚も見舞いに来てくれました。
その際に差し入れ代わりに頼んでおいたのが
お菓子やお花とかのお決まりのものではなく、
ここ最近の「住宅情報」と「マイルームガイド」

※一応説明しますけど、この頃の部屋探しはインターネットなど無いので、
 こういった紙媒体が主な情報源となります。

普段の仕事においても、これらの雑誌をくまなくチッェクするのは
日課となっていました。
そもそも、お客さんの情報源ではあるけれど、
我らだってここから新たなネタを探ったりするのです。

実は店頭に並ぶ(発売日の)ちょっと前に、
我らの手元には見本誌がいち早く届くのです。
それで、そこから得た新情報をお客さん達に
本の発売よりも前に伝えることが営業上、
有効な追客方法となっていました。

毎週発売になるものだから、広告戦略を立てる上でも、
その傾向と対策は厳しくチェックしていました。


「ふ~ん、こんな物件が出ているんだ~」とか
「今ならこの沿線に情報集中させた方がいいよな」など

一瞬、仕事をしているような錯覚をしてしまうが、
いくら情報を仕入れたところで、それを生かすことなど
今の自分には出来ない。

見ているうちに何だかだんだんと虚しくなってきました・・・

  ※     ※     ※     ※     ※     ※     ※

入院生活も2週間も経つと、なんというかこの生活が
当り前のような感覚になってくるから不思議なものである。

ドラマ「白い巨塔」でもやっていた
“○○教授の総回診です~”ってやつ。
自分もあれと同じやつ受けたりもしました。笑
大勢の学生らにジロジロ見られるのは
あんまり気分の良いものではないですね。

「お前ら、俺の体診るからには、ちゃんと勉強しろよ!」
と心ではつぶやきつつ、早く終わらないかな~なんて考えてる。

学生らから見たら、自分は研究対象の1つなのだろうけど、
結局はただの病人なのだ。

ただ、この頃から諦めの気持とは少し違うかもしれないが、
入院という事実を素直に受け止めようとも思えるようになってきた。

思えばこの数年間、これだけ何もしないで休んだ記憶が無い。
何が夢だったのかも見失いつつも、目の前の仕事だけに
自分のほぼ全てを捧げてきた。

ひょっとしたら、このように入院する羽目になったのは、
先行きも分からず突っ走ってきた自分に対して、
“ちょっと立ち止まってみようよ”
と見えない何かがストップをかけたのかもしれない。

全く望んではいなかったけど、
“安息”の時間が与えられたのかなって。

そう考えれば、この入院生活も自分にとっては必要な事だったのだと。
しっかり体を休めて、治療に専念しようと素直に思えるようになるのでした。


しかし、病気の原因が未だハッキリせず、
先行きに対して不安は拭えないのでした・・
(次回へ)

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